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2022.05.02

暗い場所や夜が見えにくい「夜盲症」とは

例えば夜の道。
照明がついていないところでは、ほとんどの人が暗くて視界がみえにくくなりますよね。真っ暗だと家の中でも、手探りで動くようになってしまいます。

その様な暗い中で、極端に視界が見えにくくなる方は、「夜盲症(やもうしょう)」と診断されるかもしれません。

今回は、『夜盲症 (とり目・鳥目) 』 と 『暗所視支援眼鏡』についてです。

明るいところでも、暗いところでも、なぜ見える?

見え方のイメージを簡単に例えると「暗さに目が慣れていない状態」

 

人間の目は、さまざまな明るさの環境の中でも、ほとんど、ものを見ることができます。

真夏のギラギラした太陽の下でも(もちろん凄く眩しいですが)、目を細めればものを見ることができます。

また、夜中のわずかな星明かりの中でも目をこらせば、何とかなるものを見ることができます。

 

 

なぜ、明るいところでも、暗いところでも、見ることができるのか?

 

 

それは、眼の中の網膜に、違う明るさの中で働く2種類の細胞を持っていることによるものと言われています。

 

 

一つは、明るい場所で働いて、色を見分けたりする「錐体(すいたい)細胞」。もう一つは、暗い場所で働く「杆体(かんたい)細胞」です。夜になると杆体細胞が働いて、暗いところでは色がわからなくなって、白黒画像になります。

 

眼の中にあるこの2種類の細胞があるおかげで、いろいろな明るさの中でも、人はものを見ることができるのですね。

 

 

 

例えば映画館で・・・

 

多くの皆さんも経験があると思いますが、明るい場所から急に暗い映画館の中に入ると、すぐには暗くて見えませんが、徐々に目が慣れてきて5分もすれば見えるようになります。

 

 

その過程を「暗順応(あんじゅんのう)」といいます。

 

 

「暗順応」は、明るいところで働く細胞「錐体(すいたい)細胞」から、暗いところで働く細胞「杆体(かんたい)細胞」へとスイッチされるわけですね。(スイッチと言っても、少しづつ移っていくので、「パッ」とは変わりません)

 

 

「夜盲症」は、この暗いところではたらく「杆体細胞」の機能が悪くなって、「暗順応」ができなくなったためにおこる状態です。

 

 

夜盲症には、先天的なものと、後天的なものがあります

 

この「夜盲症」は、先天的なものと、後天的なものがあります。

 

先天的な夜盲症

 

先天的なものには、「非進行性」と「進行性」の2種類があります。

 

先天的な原因による非進行性の「夜盲症」の場合(先天停在性夜盲、小口病、眼底白点症状など)は、お子さまが3~6歳頃に、暗い場所での見にくさに保護者が気づいて受診することが多いようです。

 

一方、先天的な原因による進行性「夜盲症」の場合(網膜色素変性など)は、ある時期から本人が、夜になると極端に見えづらくなることに気づいて受診する方が多いようです。

 

学童期から青年期になって見づらさを自覚することが多いですが、成人以降での発症も珍しくありません。雨天や曇りの天気になると足をとらわれやすくなったり、星を見ていて光の弱い星がわからないなどのことから、自覚する方もいらっしゃいます。

 

後天的な夜盲症

 

後天的な原因による「夜盲症」の場合は、成人になった以降に急激な夜間の見えづらさを自覚することが多いようです。

 

よくいわれるビタミンA欠乏による「夜盲症」は、栄養不足が深刻だった戦後などには多く見られましたが現在ではかなりの少数になったようです。

 

後天的な「夜盲症」の原因は、今日では、腹部手術や消化器系の疾患あるいは術後の合併症として発症することがほとんどといわれています。

 

夜盲症の方向けの「メガネ型ウェアラブルデバイス」

 

では、「夜盲症」の方は、暗い場所でものが見えないまま我慢しなければならないのでしょうか?

 

最近では、「夜盲症」の方向けに最新技術により作られた専用のメガネ型のウェアラブルデバイスが、光学機器メーカーのViXion(ヴィクシオン)株式会社より、発売されています。

 

 

『暗所視支援眼鏡 HOYA MW10 HiKARI』(以下 MW10)という製品です。

 

 

【2021モデル】暗所視支援眼鏡「HOYA MW10 HiKARI」

【併売モデル】暗所視支援眼鏡「HOYA MW10 HiKARI」

 

 

MW10は、眼鏡レンズでも有名なHOYAが独自開発した低照度高感度カメラで捉えた像を、目の前のディスプレイに投射します。暗闇の中のわずかな光を増幅させ、対象物の色彩を明るく自然に再現することができます。

 

このメガネ型のウェアラブルデバイス、「夜盲症」や「視野狭窄」でお悩みの方には、朗報ではないでしょうか?

 

 

MW10での見え方イメージ

暗所視支援眼鏡MW10 着用前のイメージ

暗所視支援眼鏡MW10 着用後のイメージ

 ※ あくまでもイメージです。症状などにより異なります。

 

 

まずは眼科の受診を。

 

「ものを見る」という機能は、視力だけではありません。

視力のほかにも、視野・色覚・光覚・立体視などが関わってきます。

MW10を試してみる前に、まずは眼科専門医の診断を受けていただくとをオススメします。ご自分の病状、眼の状態を知ることが何より第一です。

 

自治体によっては購入助成が

 

暗所視支援眼鏡 MW10 は、自治体により購入時の助成(福祉用具「日常生活用具」給付)が受けられる場合があります。

詳しくは、お住まいの市・区役所、役場へお問い合わせください。

 

 

メガネのイタガキ出店エリア MW10 給付対象自治体

【お知らせ】

2022年4月1日より群馬県伊勢崎市・みどり市・沼田市、長野県佐久市にて、新たに暗所視支援眼鏡「MW10」が補装具・日常生活用具の給付対象になりました。

 

2022年4月 現在

群馬県伊勢崎市の臂市長に『MW10』を体験していただきました

(中央) 臂伊勢崎市長 (左) メガネのイタガキ 板垣

暗所視支援眼鏡を臂市長が体験

 

2022年5月2日(月)、今年度より「暗所視支援眼鏡」を視覚障害者用読書機の対象品目へ追加した群馬県伊勢崎市の臂市長に、暗所視支援眼鏡「HOYA MW10 HiKARI」を体験していただきました。

部屋を暗くし、試着していただいたところ「暗い所でもよく見える!」と効果を実感していただきました。

 

自治体の「補装具費支給制度」に認定されることで、網膜色素変性症・夜盲症(鳥目)等で暗いところが見づらい方々のお役に立てる器具に、給付品目に追加されることで手が届きやすくなりました。

 

メガネ・補聴器の板垣では、今後も様々な自治体で、世の中がより明るくなることを心より願っています。

 

 

MW10 取扱店舗

 

暗所視支援眼鏡 HOYA MW10 HiKARIは、メガネのイタガキにて取扱いをしていますので、体感や見え方の確認をすることができます。

予約制になりますので、ご来店前に取扱店舗までご連絡ください。

 

なお、2021年7月現在、群馬県では「メガネのイタガキだけ」の取扱いです。

 

 

■ メガネのイタガキ 深谷上柴店

(日赤通り沿い、アリオ深谷 近く、ケンタッキー隣)

営業時間:10:00 ~ 19:00 (年中無休)

TEL:048-577-4874

※深谷市では「暗所視支援眼鏡」は、日常生活用具給付事業の対象品目です。

 

 

■ メガネのイタガキ グランド伊勢崎店

(伊勢崎オートレース場近く 宮子町ベイシア西部モールとなり)

営業時間:10:00 ~ 19:00 (年中無休)

TEL:0270-20-1500

※伊勢崎市では「暗所視支援眼鏡」は、日常生活用具給付事業の対象品目です。

 

 

■ メガネのイタガキ 高崎本店

(高崎環状線沿い 旧グランドパティオ並び)

営業時間:10:00 ~ 19:00 (年中無休)

TEL:027-350-1300