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2021.07.28

『印伝(いんでん)』の魅力とは

『印伝(いんでん)』とは、甲州(山梨)で400年余の伝統を誇る、鹿革に漆で模様をつける伝統工芸品です。

メガネのイタガキは印伝のなかでも特に人気の高い「印傳屋 上原勇七」の正規取扱店で、伊勢崎本店にてバッグや財布、小物入れなど様々な商品を常時100点以上展開販売しております。印伝のオーダーメイドもご相談ください。

印伝の歴史

印伝などの日本の革製品の歴史をたどると、奈良時代に作られた文箱(東大寺蔵・国宝)などがよく知られています。

17世紀頃には海外から金唐革(きんからかわ)などの装飾革が渡来し、日本でも様々な技法が生み出されました。

その一つが、遠祖上原勇七が創案したとされる甲州印伝です。

印伝などの鹿革は、身体によくなじみ、強度を備えているため、戦国時代には、古来の燻(ふす)べ技法や更紗(さらさ)技法を駆使した鎧や兜が、多くの武将たちの勇姿を艶やかに飾りました。

江戸時代に入ると、印伝は大いにもてはやされ、莨(たばこ)入れ、早道(はやみち)、巾着、財布、合切(がっさい)袋など、実用を兼ね備えた品々が広く庶民の愛好の的となったのです。

「印伝」の名前の由来

「印伝」と呼ばれるようになった由来には諸説あります。

南蛮貿易が盛んな17世紀頃、日本には諸国から様々な産物がもたらされました。

オランダ東インド会社からの装飾革の一部に「応帝亜(インデヤ)革」と呼ばれた革があったことや、ポルトガル語やオランダ語の”indian”や”indiёn”が変化した説、または「印度伝来」を略した説ともいわれています。

甲州印伝の誕生

四方を山々に囲まれた山梨(甲州)は古くから鹿革や漆を産出していたことから、印伝が生まれ育つにはふさわしい土地だったのでしょう。

江戸時代、遠祖上原勇七が、鹿革に漆で柄付けをする独自の技法を創案してここに甲州印伝がはじまったといわれています。

当時の「いんでん」は漆がヒビ割れていることから「地割印伝」「松皮印伝」と呼ばれ、漆のもつ独特の輝きが人々を魅了しました。

 

印伝に使用される素材

鹿革

軽く丈夫で加工がしやすい、しかも柔らかな感触は、人肌に最も近いといわれ、古くから愛されてきました。

鹿革は使い込むほどに手になじみ、自然の感触をいつまでも楽しむことができます。

厚み、肌ざわり、質感、均一性など厳選された最高級の鹿革が使用されています。

天然素材ならではの、鹿一頭ごとの性質の違い、角キズなどの特性も活かされます。

 

西洋では「ジャパン」と呼ぶ漆。

このように日本の代名詞になるほど漆は日本人に親しまれ、なじみの深いものです。漆の原語は「潤(うるお)う」「麗(うるわ)し」によると言われています。

漆のもつ接着力、膜面の強さ、防水性、独特の光沢は、実用と装飾を兼ね備えた絶好の素材だったといえるでしょう。

漆の光沢は、漆という自然の素材だけがもつ輝きであり、美しさです。

時がたつほど色が冴え、深みのある落ち着いた光沢になっていきます。

 

『工芸品』といわれる技法

「印伝」はすべて職人による手作りです。

“漆付け三年”といわれるように、どの工程をとっても高度な熟練と研ぎ澄まされた勘を要します。

脈々と受け継がれた伝統の技と心が、手から道具へ伝わり、そして製品の細部に反映されます。

 

 

燻べ技法

「印伝」のルーツといわれるふすべ技法。鹿革をタイコ(筒)に貼り、藁を焚いてその煙でいぶした後、さらに松やにでいぶし自然な色に仕上げます。

熟練の職人だけが駆使できる日本唯一の革工芸技法です。

 

更紗技法

印度伝来の更紗の模様に似ていることからこう呼ばれます。

一色ごとに型紙を替えて色を重ねていくことにより鮮やかな色の調和を生み出します。

均等に色をのせるのには高度な技術と手間を要します。

更紗技法は主に漆柄付け前の下地模様として使われます。

印伝ができるまで

一. 染色

白い鹿革を黒、紺、茶、エンジ、ワイン色にずぶ染めという技法で革を芯まで染めます。鹿革は一頭ごとに性質が異なるため染色も多少の差が生じることがあります。これも天然素材ならではの持ち味といえます。

 

二. 裁断

一枚革を型紙に合わせて荒断ちします。鹿特有の角ズレの大きい部分を避け、いい所だけを選んで裁断していきます。多少の角ズレは本物であることの証とされています。

 

三. 柄付け

鹿革に型紙(手彫りされた和紙)を重ね、その上からヘラを横に刷り込むようにし、型紙をはがすと、彫られたとおりに漆が乗り美しい文様が浮かび上がります。

これを数日間かけてムロで乾燥させると、硬質な輝きの漆柄が仕上がります。

 

四. 縫製・仕上げ

型紙に合わせて正確に裁断し、一つ一つ丹念に縫製します。

デザインに合わせて、直線や曲線を自在に縫っていきますが、革の表面には漆柄の凸凹があるので、ここにも熟練の技が必要とされます。

ハンマーで縫い目の折り返しを整えます。型崩れの防止のために、当て革などを裏につけます。そして口金やファスナーをつけて仕上げます。

 

五. 検品

数多くの厳しいチェックにより選ばれたものだけに、印傳マークのシールが貼られます。これは信頼のしるしであり、老舗印傳屋の誇りと自信でもあります。

 

参考出展

印傳屋HP https://www.inden-ya.co.jp/

お取り扱い店について

伊勢崎本店では常時100点以上を展開しています。「名入れ」などオーダーメイドのご相談もお待ちしています。